厚生労働省によると、フリーターとは15～34歳のうち、アルバイトやパートなどを続けている方を指します。
就きたい仕事のために勉強をしたり、生活のために一時的に働いたりしなければならないなど、フリーターにはさまざまな背景があります。
しかし、なかには定職に就きたくない、正社員として働きたくないといった理由からフリーターを選ぶ方がいらっしゃいます。
果たして、一生フリーターでも生活はできるのでしょうか。
本記事では、一生フリーターでも大丈夫なのかについて、その現実とデメリット、抜け出す方法とあわせて解説します。
一生フリーターでいるとどうなる？
前提として、フリーターは仕事をしていない方を指すものではなく、一定額の賃金を得ていることから、一生フリーターでも生活は可能です。
定年退職後や余暇を利用してアルバイトをして生計を立てることを目的として、フリーターを選ぶ方がいらっしゃいます。
しかし、フリーターは正社員と比べると収入が低い傾向にあり、一生フリーターを続けるのはリスクが高いといえます。
長い人生において、交通事故や急な病など、高額な出費が発生するタイミングは少なくありません。
そのような場合に、フリーターの収入ではまかないきれないことがあるほか、両親の介護もリスクとして付きまといます。
そのため、一生フリーターとして働き続ければ大丈夫、親がいるから大丈夫という考えは危険だといえます。
フリーターのなかには、今だけを見て将来を考えていない方が含まれており、そのような考えだと将来困ることが多くなるでしょう。
一生フリーターを続けるデメリット
こちらでは、一生フリーターを続けるデメリットをご紹介します。
歳を取るごとに選択肢が減る
20代や30代であれば、フリーターから正社員に転職したり、会社を興したりといったさまざまな選択肢があります。
しかし、歳を取るごとに体力が低下することによりつける仕事が減少することから、再就職の可能性は低くなります。
そのため、一生フリーターでも大丈夫と思っても、気付いたときには仕事に就けなかったというリスクが潜んでいるのです。
ビジネススキルが身に付きにくい
正社員で雇用された場合、OJTや教育担当などがビジネスマナーやビジネススキルに関する教育・指導をしてくれます。
しかし、フリーターの場合はこれらの教育・指導を受けられないことがあるため、身に付かないリスクがあります。
同年代と比較するとマナーやスキルが身に付いていない可能性がある点は、一生フリーターで生活する際の注意点といえます。
パートナーに恵まれない可能性がある
人生において、結婚や出産といったイベントを目標のひとつとする方は多くいらっしゃいます。
ほとんどのパートナーは高収入や安定収入を求めるため、正社員と結婚をしたいと考える傾向にあります。
収入や雇用形態が不安定なフリーターは選ばれにくい傾向にあり、結婚をしたくてもできないといった方がいらっしゃいます。
フリーターを抜け出す方法
結論として、フリーターから正社員として雇用された事例は多々あるため、フリーターからの脱却は可能です。
そのためには下記のような方法がありますが、いずれも年齢を重ねるほど成功率が低下する傾向にあります。
正社員雇用契約
フリーターから抜け出す手段として、現在パートやアルバイトとして働いている勤務先から正社員雇用契約の話をもらうことが挙げられます。
この場合、すでに仕事のノウハウを理解していることから、雇用主側からは教育コストを削減できるメリットがあります。
そのためには現職のスキルを向上させたり、場合によっては正社員に相談してみたりしてみましょう。
フリーター中に資格を取得する
先述の通り、フリーターのなかには、就きたい仕事のために勉強をしている方がいらっしゃいます。
難関資格に臨む場合は多くの勉強時間を要するため、正社員で働くと勉強時間を確保できません。
資格を取得することで希望就職先に正社員として雇用されるチャンスがある場合、フリーターのうちに勉強しておきましょう。
ハローワークや職業案内所に紹介してもらう
現職で正社員として雇用される可能性が低く、資格を取得していない場合はハローワークや職業案内所に相談しましょう。
職業紹介所ではさまざまな職種や案件を抱えているため、自分に合った案件を選ぶことができます。
また、適性などを見て職員が案件を紹介してくれることから、入社後のミスマッチを抑えやすい点もメリットといえます。
一般的に、これらが実施できるのは30代までといわれており、以降はハードルや採用条件が厳しくなります。
企業の観点では、同じ採用コストを支払っても長期間働いてくれて、伸びしろがある20代を雇用したいと考えることが要因です。
おわりに
本記事では、一生フリーターでいることのデメリットや現実などについて解説しました。
フリーターは正社員と比べると収入が低い傾向にあることから、将来のための貯蓄や急な出費に対応できないことがあります。
フリーターから抜け出す方法として、正社員雇用契約や資格取得、ハローワークや職業案内所に紹介してもらうことが挙げられます。
現在フリーターの方は、将来の収支について考えてみましょう。
